2006年 5月5日  山菜採りに行く

 皐月晴れのいいお天気だ。こんな日は山へ行かなくっちゃ。

 5月の風をおなかいっぱいたべて鯉が気持ちよさそうに泳いでいる。この家にはどんなかわいい子がいるのだろう。愛情たっぷり皆にかわいがられてすくすくそだっているに違いない。なあんて、今年は鯉のぼりに自然と目がいく。私にももうすぐ1歳になる初孫ができたからだ。団地サイズの鯉は都会の風を受けて上手に泳いでいるかしら。

 雲辺寺ロープウェイの麓駅から雲辺寺に登る道で、新しい山菜採りのスポットをみつけた。この道を上り詰めると、「お遍路情報」、雲辺寺のページの木の標識の写真のところに出る。去年イタドリ林であったろう名残の枯れ草の足元に、柔らかくて美味しそうな蕗がいっぱい。かくして私は今シーズン、3度もここに蕗、イタドリ、蕨を採りに来た。

 この辺り一帯にぼんやりとやさしく咲いていた山桜はすでに姿を消し、一段と濃くなった緑の木立の間にオレンジがかった鮮やかな色合いのミツバツツジがあちこちに見える。この登山道も、ツツジのトンネルというわけにはいかないが、けっこうたくさん株がある。伸びている道がロープウェイの支柱の下をくぐる、というところまで歩いて、持参の弁当をひらく。弁当といっても、このごろいつも冷蔵庫にある山菜のおかずやそのへんの残り物をいそいでタッパーに詰めて、缶ビールを保冷バッグに入れて家をとびだしてくる。いつも、「今日は上天気だ、さあ行くぞ」と、突然外出は決定される。

 汗ばむ初夏の日差しの下で冷えたビールを一口飲む。ああ、おいしー。ゴールデンウイークの仕事疲れが吹っ飛んでいく。緑の中で、自由にできる時間をもてるしあわせをかみしめながら、ひとときを過ごした。



2006年 5月9日 国見山の山芍薬に会いに


 少し時間がとれたので2年ぶりに国見山へ行った。

 今年は桜の開花が遅れたから山シャクももしかして待っててくれてるかも、と思って出掛けた。花を見るためなので、有宮神社から登る。頂上へは行かない。植林の森がずっと続く。ちゃんと手入れされてまっすぐ伸びた幹が林立する景色はなかなか幽玄だ。フィトンチッドが溢れているだろうか。ちょっと前 、森林浴という言葉が流行ったなあ。あきるほど杉林の中をあるくとやっと日がさし込んでて明るい森になる。もう山シャクはすぐそこにいる。この明るい広葉樹の森で私のお気に入りの場所がある。若葉を通して降り注いでくる日光で、適度に明るいのだ。弁当はここで食べたい。まずお花の場所へ。

 群生地へ下るところに来た。まあー、はっきりと道ができたものだ。知る人ぞ知るだったのに、今や列をなして大勢見にくるに違いない。急な坂を滑らないように気をつけながなら下る。花は・・・ナイ。ひとつ、今にも散り落ちそうな、とっくに盛りをすぎた美女のような花があるだけ。当然といえば当然、5月を9日もすぎているのに。仕方ない、次のお目当て、クマガイソウに会いに行こう。急坂をカメのようにゆっくり登る。ほんとにここの坂はきつい。1歩1歩、まだかまだかと登る。もう着いてもいいはずなのにおかしいな、やがて皆が休憩でもしそうな安定した場所にでた。ウーン、ここいらがくさいぞ。やっぱり・・・、木立の中を覗くとクマガイちゃんのかわいいハッパがあるある。ここもかなりの人が知ってるな。こころなき人に掘られないよう祈るしかない。

 というわけで、今日は2人から振られた。例の大好きな場所に戻って、残りものを詰め込んだ弁当とビールで乾杯。天気はいいし山は独り占め、至福をあじわっている。

 山をおりて地元の小さなスーパーで買い物をした。これがまた楽しいのだ。こっちで売ってない物を探す。祖谷そば、いなか風蒟蒻、おおきな椎茸など買った。野菜は断然、というか当然、三豊平野のがやすくて美味しい。

 クマガイそうの花を見にいけたらいいなとおもうが、どうだろう。


写真

上左 登山口、有宮神社の鳥居

上中 植林を抜けて広葉樹の森へ

上右 山シャクの群生

下左 クマガイそうの群生

下中 テンナンショウの仲間?

下右 葉っぱがギザギザのテンナンショウ


上の写真は2年前のもの、花の時期に訪れている

2006年 5月 12日  知られざるカタクリの群生地

 川之江在住の友人、Iさんに教わりカタクリの山、鋸山へ行ってみた。彼女はとても花が好きで、ときどきすばらしい情報をくれる。国見山の山シャクも彼女が教えてくれた。

 鋸山は、伊予三島、翠波峰の隣の山である。登山口からなんと30分でカタクリが見えるという。ウーン、近い。これはいかずんば成るまい。里山みたいなものだから、しっかり道をきいとかないと後悔する。フムフム、で行くと迷子になる。詳しい地図を描いてもらって、「よし、大丈夫」と出掛けていった。お蔭でスムースに登山口の標識まで来ることができた。

 緩やかに植林の中を登っていく。だんだん明るくなって広葉樹の林になる。コシアブラがたくさんある。帰りにもらっていこう。やがて三角点、大きな岩、指示どおり左手を歩いていく。まだかな、林の中だとしたら見落としたかも。ちよっと不安を感じながらすすんで行くと右手の林の中にピンクのテープが2,3つけてある。ん?あやしいぞ、と道をそれて入って行くとカタクリのハッパが・・・。でも群生とは言いにくい、少ししかない。カンアオイの葉もちらほらある。ちょっと掘ってみると黒い花が出てきた。地中に埋まっているなんて奇妙な花だ。

 登山道に戻って数メートル行くと杭を打って、ロープが張ってある場所にでた。ロープの内側を見ると、オオーッ、まさにカタクリの群生だ。ただしハッパのみ。やさしいお日さんの光を浴びて、一斉に咲いている様はさぞやかわいかったろう。独り占めで楽しんだIさんが羨ましい。山シャクは石ころゴロゴロの危なっかしいところに住んでいるが、カタクリは私好みのやさしい林がお好きなようだ。僅かに2つ3つ、最後まで一生懸命咲いてくれている健気なお花を撮った。

 地面に穴があいている。堀りに来る輩はいるのだろう。泥棒さんに出くわさなくてよかった。2年前国見山で、山シャクを掘ってるのかなと思われる2人組をみたので「何してるんですかー」とわざと声をかけた。「花見とるンやー」という声がかえってきた。私が声をかけたからといって断念するわけもなし、かえってこわい思いをした。

 カタクリといえば、巷では別子の中七番と赤星山が有名だ。鋸山はまだそう知られてないはずだが、弁当の食べかすがちらばっているところを見ると、ひっそりと静かににも咲いておれまい。マナーの悪い人たちをも呼び寄せている。こんな人が、かわいそうにカタクリを居心地のいい森から連れ去ってしまうのだろう。

 帰り道、山椒の赤ちゃんがあちこちに。先の方の新芽だけ摘んだ。お母さんが近くにいるにちがいない。あった、あった。いっぱい実をつけている。山椒の実の佃煮はどうやってつくるのだろう。一度チャレンジしてみたいものだ。


この林の足元に一面カタクリが・・



2006年 6月 4日  雲辺寺クリーンハイキング

 今日は、観音寺ハイキングクラブとあけぼの山の会との合同クリーンハイキングだ。私達は春と秋の年2回、このようなボランティアをする。春は雲辺寺か稲積山、秋は五色台である。雲辺寺と五色台には札所がある。

 コースはいつものように奥谷から遍路道を登り、雲辺寺で昼食、下りはロープウェイを使い、麓駅から車道を奥谷登山口までゴミを拾いながら歩く。私は、この間から気になっている頂上から萩原寺へ下る西の方の遍路道を行かせてもらうことにした。何が気になっていたかというと、お遍路さん2,3人から、途中、ロープウェイ直下の林道に入る分岐点が見つからなかったという報告を受けている。赤テープでしっかりと印をつけてこよう。

 というわけで、ちよっと別行動の私は予め西の登山口に自転車をまわしておくことにした。登山口は建設会社のゴミ処理場の傍である。ここの番犬が何メートルも先から私を察知して吠えまくる。道路ぎわの雑木の中にも1匹、おとなしくて気の弱そうな、やせ細った犬が繋がれている。かわいそうに、確か何年も前からここにいる。餌はもらえるし、交通事故に遭うこともない、かえって幸せかもしれない。「ワンちゃん、自転車の番してね」とお願いして、道路脇の目立たないところの木に簡単な鍵でとりつける。あまりに簡単で、悪意のある人に見つかったら斬って持っていかれるだろうと少し心配。

 そして、奥谷の登山口に車をはしらせる。10分足らずで到着して、皆がやってくるのを待った。本日の参加者は、ハイキングクラブ19名、あけぼの山の会6名だ。どこの会でもそうだが、50代60代の女性がとても元気だ。服装も物腰も明るく賑やか、パッと華がさいたようで、見ている方も楽しくなる。この年代の女性は、家事育児から解放されて、自分の為にお金と時間を遣えるようになる。二度目の青春を謳歌している。家庭の状況の変化、体力の低下、いつ何が起こるか分からないのだから、今できることやりたいことは多少の無理を押してもやる、これが私の方針だ。

 水泳をする人、山に登る人、スポーツジムに通う人、50代、60代の女性は圧倒的に多いのだが、70代、80代までスポーツを続けているのは男性のように思える。何故だろう。たぶん、男性と女性の生理の違いによると思う。男性は生まれつき筋肉を使うようにできている、女性は閉経とともに老化に加速がかかる、ということではないだろうか。

 いつものように、ハイキングのメンバーの後についてトロトロ歩く。ゴミ拾いより久しぶりのおしゃべりに花が咲く。時々ハイキングが見落としたカンや紙くずを拾ってはお茶を濁す。ここは遍路道、マナーのいい人たちが歩く道、私達の仕事はさほどあるまい。

 下を見ながら歩いていると、オトシブミの巻物がいっぱいころがっている。ふまれないように脇によけてやるが、あまりにたくさん落ちていて前に進めない。むかしそっとあけてみたことがあった。中には小さなタマゴが1個はいっている。幼虫になったら、葉っぱの布団を食べておとなになるのだろう。成虫はどんなものか見てやろうと、巻物を1個持って帰って虫かごにいれておいたことがあるが、死んでしまったのか何日たってもそのままだった。

 スキー場の芝生の上で弁当を食べて、皆はロープウェイで楽々下山、私は頂上駅の傍から山道にはいる。20分あまり下ったところで、右手の植林の中へ入っていく分岐がある。派手にピンクや赤のテープがいくつもまかれている。これほど目印があるのにどうして気づかないのかなあ。不思議だ。ま、念のため、私も赤テープを2つ巻いた。5メートル下った行く手にも巻いた。今度お遍路地図の改訂版を作る時、しっかりと注意書きをしておこう。それと、大興寺へ歩いて行く人は、三豊平野を展望できるスポットを知らずに通り過ぎて行くので、お天気のいい日には是非ロープウェイ乗り場まで歩いていって、観音寺の町や海を眺めてくださいとかいておこう。せっかく汗かいて高いところまで登ってきたのに、これを見ずしてさっさと下ってしまうのは本当にもったいない。


  左  小休止する、うちのメンバー
  右  尾根手前の気持ちのいい緑のトンネル



  左  境内の五百羅漢 兵馬俑みたい?
  右  雲辺寺


  新しくできた名所?


  左  お昼寝タイム
  右  本日の収穫


2006年  6月 6日  豊受山 
日当たりのいい斜面に野いちごがいっぱい
V.Cの補給をする
甘くて美味しい
摘み取ったら中に虫がいないか確かめて食べよう
林道を上へ上へとはしると 道路脇にハチク?嬉しいなあ、今年タケノコをとっていない。帰りに忘れず採って帰ろう
やがて登山口の看板が   

登り始めるといつものように植林が          
フィトンチッドを浴びながら幽玄の森を歩く
尾根直下に神社が                 
山の中の建物や廃屋はとてもにがて
誰かが潜んでいそうな気がして怖い
足早に立ち去る
頂上付近で石楠花満開                
どの木も花をつけている
花好きの友人Iさんの言ったとおり
当たり年かな、どこの山に登っても楽しめそう
豊受山の頂上はこれか?                
なんともてっぺんの分かりにくい山だ


本日の花はフタリシズカとカンアオイと卯の花
サンニンシズカもヨニンシズカもいる

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